投稿者: Andrés Escallón, Vice President, eCOA Solutions Strategy
概要:
- IRT とeCOA による意思決定の強化:IRTとeCOA の統合により、臨床試験の重要な場面において、より迅速かつ正確な対応が可能になります。
- 統合プラットフォームによるデータインテグリティの向上:共通のデータ基盤により、同期エラーが減り、最新の情報を利用できます。
- 運用効率の改善:IRTとeCOAのいずれも直感的に操作できる共通のインターフェースを搭載しており、医療機関のユーザーや試験チームによる試験管理の簡略化や効率的な操作の習得をサポートします。
eClinical テクノロジーが進歩するにつれ、治験依頼者が臨床試験業務を管理するための要件と選択肢はますます増加しています。このような複雑化するテクノロジー環境は試験の立ち上げ期間に負荷となり、その結果当然のことながら治験依頼者は実績のある確立されたソリューションに頼る傾向を強めています。
電子臨床アウトカム評価(eCOA)は、これまでは単独のスタンドアローンのシステムとして、あるいは電子データ収集(EDC)システムと組み合わせて使用され、多くの点で成果を上げてきました。しかし、臨床試験が複雑になり、テクノロジーも進化している今、新たな臨床試験のニーズに応えるためには、eCOAをどう変えていくべきかを考えることが重要です。これらの新しいニーズには、以下のものがあります。
- 治験実施計画書のスケジュールに合わせた柔軟な運用(例:オンコロジー試験でよく見られる来院スケジュールの変更)
- 特にがんや希少疾患のような複雑な治療領域において、患者さんの治験進行における重要な場面に素早く対応すること
- リアルタイムのデータ入力に応じて調整する能力(例:若年層のような、追跡が難しい患者群におけるeCOAの遵守率に対応すること)
- 予期せぬ事態が発生した場合の即時通知
これらの要件は、インタラクティブ応答技術(IRT)を組み合わせたプラットフォームに eCOA が搭載することで満たすことができます。。この組み合わせにより、スクリーニング、ランダマイゼーション、来院、患者日誌、治験終了報告など、最も重要で時間制約のある場面において、患者さん、医療機関、そしてデータをリアルタイムで連携させることができます。ことができます。
eCOA をIRTと統合すべき 5 つの理由:
1*最も重要な場面での、より正確な意思決定
臨床試験は複雑であり、厳格なスケジュールや効率性、正確性に対する高い要求があります。eCOA と IRT をひとつのプラットフォーム上で運用することで、単一のシステムとして動作し、両ソリューションのすべての機能がシームレスに連携して、治験依頼者や医療機関が迅速に対応すべき重要な局面をサポートします。以下に例を挙げます。
- 組み入れ時:スクリーニング用に収集した eCOA のデータに基づいて、EDC の更新を待つことなく患者さんの組み入れ基準を即座に更新できます。
- 来院時: eCOA の質問票の表示期間を、来院スケジュールの変更に合わせてリアルタイムで調整できます。これは、スケジュールが複雑で変更が多いオンコロジー試験などでは不可欠です。
eCOA と IRT を統合したシステムでは、eCOA のデータが瞬時に IRT に同期され、その逆も同様です。これにより、eCOA データに基づいた投薬量の変更などが正確に反映されます。
あるSuvodaのお客様は、このことの重要性について次のように述べています。「SuvodaのIRTとeCOAは単一のデータベースを共有しており、これは非常に重要だと感じました。ランダマイゼーションはeCOAデータに基づいて瞬時に実行され、システム統合に関する問題もありませんでした。他の試験とは異なり、医療機関のユーザーは 1 つのシステムからシームレスかつ即座にデータにアクセスすることができたのです。」
2* データインテグリティのための単一の情報源
IRTおよびeCOAを統合した単一のプラットフォーム上にある共通のデータ基盤により、データインテグリティが向上し、すべての関係者が最新かつ正確なデータにアクセスして、迅速な行動が可能になります。この仕組みにより、データの同期エラーや、時間のかかるデータ照合作業のリスクが最小限に抑えられ、同時に、EDC システムとの スムーズなAPI連携も可能です。
3*日々の試験業務における主要システム間の可視化
主要なeClinicalシステム(治験薬ロジスティクスのためのIRTとデータ収集のためのeCOA)全体で患者データや薬剤の状況、医療機関の運用状況を総合的に把握することで、盲検性を維持しながらも業務連携が強化できます。この統合された監視機能は、試験チームが迅速かつ正確に、そして情報に基づいた意思決定を行うのに役立ちます。また、データがEDCに送信される前に解決すべきコンプライアンスやデータに関する潜在的な問題を素早く特定することにも役立ちます。
4*サポートとサービスの効率化
治験依頼者がプラットフォームを選択することは、臨床試験をサポートする人材とチームを選択することも意味します。IRTとeCOAの両方を理解する一つのサポートチームが、治験実施計画書の実行と改訂を支援する専門的なコンサルティングを提供し、APIを介した他のeClinicalテクノロジーとの統合もサポートできます。
5*医療機関のユーザーにとって使い慣れたユーザーインターフェース
多くのeClinicalシステムユーザーは医療機関のスタッフであるため、彼らにとっての使いやすさは極めて重要です。IRT とeCOAを統合したシステムでは、重要な業務(薬剤番号の払い出しや、医師が報告するアウトカムの完了など)を行う医療機関の担当者に対し、一貫性があり直感的に使えるインターフェースを提供することができます。この一貫性により、操作を効率良く習得することができ、システム間の切替えに伴う負担が軽減されることで、業務効率が向上します。
意思決定者のためのチェックリスト:eCOA を IRT と統合すべきか?
お客様の臨床試験には、このような課題や要件はありますか? |
Suvoda プラットフォームのメリット |
従来の eCOA の課題 |
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時間的制約のあるアクションが治験実施計画書に規定されている(用量変更や複雑なランダマイゼーションなど) |
リアルタイムでのデータによる自動処理 |
バッチ処理の遅延 |
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動的な来院スケジュール変更(オンコロジー、希少疾患などでよく見られる) |
評価の自動調整 |
手動でのカレンダー更新 |
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患者報告型の服薬日誌である |
eCOA 不遵守についてリアルタイムに警告を発信 |
eCOA 遵守状況の可視化の遅れ |
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医療機関で複数のシステムのトレーニングを行っている |
統一されたインターフェース |
個別の資格認定 |
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試験の途中で治験実施計画書の改訂が発生する |
変更を自動調整 |
ベンダー間での調整 |

IRT との統合に最適な eCOA
Suvoda プラットフォームのように、IRTとeCOAをひとつのプラットフォーム上に統合することで、臨床試験チームは、ツール間で共有されるリアルタイムかつ正確なデータに基づき、迅速でかつ状況を的確に把握した上で判断できるようになります。他のシステム連携のアプローチでも、データ共有の一部の側面は提供できるかもしれません。しかし、異なるツールを一つのシステムのように統合し、さらにシンプルで洗練された形に開発することは簡単なことではありません。Suvoda プラットフォームは、治験依頼者が臨床試験の最も重要な局面を効率的かつ合理的に管理することを支援します。共通のデータ基盤により、患者さんのデータや医療機関の試験の運用状況など試験に関わるさまざまな情報を把握した上で、的確な判断を下すサポートを提供します。
Author

Andrés Escallón
Vice President of eCOA Solutions Strategy,
Suvoda